そもそも感染対策とは何か?
感染対策とは、感染症の伝播を防ぐために講じるべき手段。感染は感染源・感染経路・感受性宿主の3要素が揃うと成立する。これらの3要素が揃って感染症が発生するメカニズは、"感染の連鎖"と呼ばれている。
感染対策の原則は、この感染の連鎖を断ち切ること。
感染源とは、ウイルスや細菌などの病原体のこと。ウイルスに感染した結果、せきやくしゃみ、発熱、下痢のような症状が現れることが発症であり、症状が現れるまでのしばらくの期間が潜伏期。感染しても症状が現れないことがある(不顕性感染)。このような人が保菌者(キャリアー)。保菌者は感染したことに気が付いていないため、菌をばら撒く感染源になることがしばしばある。また、その人の抵抗力が低下したときに発症することがある(潜伏感染)。
┃対策
感染源を絶つ対策。ウイルスに感染した人が感染源であり、PCR検査、抗体検査、抗原検査などで感染者を特定し保護期間隔離すること。最も基本的であり最も重要な対策。
感染経路には、飛沫感染・接触感染・空気感染、物質媒介型感染・昆虫媒介感染どがあり、それぞれに適した対策方法が存在する。
┃対策
感染経路を絶つ対策。各個人でもできる対策。緊急事態宣言はこれに当てはまる。3密(密閉・密集・密接)の回避、マスク、手洗い、換気、ソーシャルディスタンスなどがある。
感受性宿主とは、私たちの免疫力のこと。免疫力が低下し感染症になりやすい人のこと。病原体による感染が起こったとしても、免疫力がしっかりしていれば感染症は起こらない。必ずしも「病原体への感染=感染症の発症」というわけではなく、私たちの抵抗力よりも病原体による影響が勝った時に感染症が引き起こされる。
┃対策
各個人でもできる対策。免疫力の低下を招かないように、規則正しい生活とバランスの良い食事で適切な栄養を摂ったり、しっかり睡眠時間を確保したりして体調を整えて健康管理に努めるほか、ワクチン接種や栄養管理等の対策を講じることも重要。
このように緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は、"感染の連鎖"の中で感染経路を絶つ対策であることが分かる。つまり、感染源を絶つ対策ではないということ。それ単独では効果は限定的である。もっと感染源対策を強化することが必要である。
感染源対策=PCR検査
感染経路対策=緊急事態宣言
感受性宿主対策=ワクチン接種
今日本に足りないのは、圧倒的に感染源を絶つ対策。感染経路を絶つ対策ばかりでなく、感染源となっているウイルスに感染した人をPCR検査、抗体検査、抗原検査などで特定し、保護隔離することが何より重要である。
【広島県知事の発言 2021年3月11日】
PCR検査の集中実施によって、無症状の陽性者を早期に発見し、感染の連鎖を断ち切ることで、感染者の増加を抑制し、社会経済へのダメージを回避することができます。
PCR検査の集中実施により、感染拡大を未然に防ぐことができれば、時短を要請する必要もなく、結果として、巨額の財政出動を回避することができます。