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MMT(現代貨幣理論)とは何か?

現代貨幣理論とは?
国債の発行は、国の赤字が増えるから好ましくない」といった内容のニュースを耳にしたことがあるかもしれません。MMT(現代貨幣理論)とはどのようなものなのでしょうか?

MMT(現代貨幣理論)とは?

MMT(現代貨幣理論)とは、「自国通貨を発行できる政府は、インフレにならない限り、大量の国債発行をある程度許容する」といった主張を持った経済理論です。
大量の国債発行によって、自国通貨(お金)をたくさん確保し、そのお金を公共事業などに回すことで、より国民の生活を豊かにできると言われています。
国債によって自国通貨を増やすことで、国民の生活を豊かにする可能性があると肯定的に考えるのです。
このようなインパクトのある考え方から、MMT(現代貨幣理論)は大きな話題を集めているのです。
この理論は、ステファニーケルトンらによって提唱されました。

MMT(現代貨幣理論)のメリット

インフラ整備の拡大

MMT(現代貨幣理論)ではインフレが起きない程度に、国債発行に伴う自国通貨を大量に増やすことで、インフラ整備に必要な財源を簡単に補うことができると言われています。
これにより、なかなか進みづらい土地開発や道路の修繕といったインフラ事業を積極的に推し進めることができると考えられているのです。
インフラ事業を拡大することができれば、Society5.0などのAIやビッグデータを駆使した、より未来的な都市づくりへの取り組みも活発化するかもしれません。

社会保障の充実

また、MMT(現代貨幣理論)では消費税などの税収を大幅に増やさずとも、社会保障にかかる費用を比較的容易にまかなうことができると言われています。
国民に大きな負担を掛けずに、昨今課題と言われている年金や児童手当などの社会保障制度について迅速に対応できると考えられているのです。
社会保障が充実すれば、より多くの国民が豊かで安心できる社会を実現できるようになるかもしれません。

雇用の増加

インフラ整備などの公共事業が活発化すれば、雇用の増加も期待できると言われています。
MMT(現代貨幣理論)では、「就業保証プログラム」という制度を推奨しています。
就業保証プログラムとは、誰でも一定の賃金水準で就業ができるように、政府がサポートするという制度です。
こうした取り組みにより、景気が好ましくない状況であっても失業者などを大幅に減らすことができると考えられています。

MMT(現代貨幣理論)のデメリット

国債発行に伴う大量の通貨発行により、お金が市場に過剰供給されると、ハイパーインフレに繋がる危険性があると言われています。
ハイパーインフレとは、物価上昇による貨幣価値の下落を止めることができないほどの激しいインフレ状態を指します。
もしハイパーインフレが起きれば、ラーメン1杯が100万円になるといった事態も起こるかもしれません。
かつてハイパーインフレに陥ったジンバブエでは、2009年に100兆ジンバブエ・ドル紙幣が発行されたほどでした。
ただ、MMT(現代貨幣理論)では、政府が大幅なインフレが起きないように、課税などで財政支出を適切に調整すれば大きな問題にはならないと考えられています。
しかし、大量発行した貨幣をコントロールすることは非常に難しいのではないか、という意見もあり、様々な議論を呼んでいるのです。

出典
政治ドットコム
投稿日2021.2.26 最終更新日2021.02.26

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