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新型コロナワクチン最新情報

INDEX     (2021/04/21現在)

アストラゼネカとモデルナは5月にも

日本政府は、ファイザーから年内に1億4400万回分(7720万人分)の供給を受ける契約を結んでいるほか、英アストラゼネカから1億2000万回分(6000万人分)、米モデルナから5000万回分(2500万人分)の供給契約を結んでいます。さらにファイザーからは、9月末までに追加で5000万回分が追加で供給されると伝えられています。

アストラゼネカのウイルスベクターワクチンは2月5日に承認申請。モデルナのmRNAワクチンも、日本での供給を請け負う武田薬品工業が3月5日に申請しました。順調にいけば5月にも承認され、国内で3つの新型コロナウイルスワクチンが使えるようになる見込みです。ただ、アストラゼネカのワクチンをめぐっては、接種後に血栓症を発症した事例が報告されていて、一部の国で接種を中止したり接種対象を制限したりする動きが出ており、日本での審査は難航することも予想されます。

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第一三共とKMバイオが臨床試験開始

国内では、今年2月に米国で緊急使用許可が認められたジョンソン・エンド・ジョンソンのウイルスベクターワクチンが臨床第1/2相(P1/2)試験を行っています(国内治験はヤンセンファーマが実施)。武田は、米ノババックスが開発した組換えタンパクワクチンも国内で生産・供給することになっており、2月24日からP1/2試験を実施中。今年後半の供給開始を目指すとしています。

日本企業では、アンジェスがDNAワクチンのP2/3試験を行っていて、塩野義製薬は組換えタンパクワクチンのP1/2試験を実施中。KMバイオロジクスと第一三共も3月からP1/2試験を行っています。

ワクチンの開発は感染状況にも左右され、有効なワクチンの接種が始まれば、特に遅れをとっている日本勢は大規模な臨床試験を行うのが難しくなる可能性があります。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は昨年9月に発表した指針で、海外で発症予防効果が確認されたワクチンと比較することで有効性を評価できる可能性に言及。海外での大規模臨床試験の実施も視野に入れる必要があり、国産ワクチンの実用化はまだはっきりと見通すことはできません。

生産体制を整備

開発と並行して、生産体制の整備も進められています。政府は2020年度の第2次補正予算に、生産設備などの費用を補助する「ワクチン生産体制等緊急整備基金」として1377億円を計上。昨年の第1次公募では、▽アストラゼネカアンジェス塩野義製薬▽KMバイオロジクス▽第一三共武田薬品工業――の6社に総額900億円あまりが助成されました。

日本勢で開発が先行するアンジェスは、タカラバイオなどの参画を得て生産体制を構築。塩野義は、アピとその子会社であるUNIGENと協力し、21年度末までに年間3500万人分の生産体制を整備することを目指しています。23年度の実用化を目指しているKMバイオロジクスも、21年度末までに半年で3500万回分を生産できる体制を整備中。武田薬品は、ノババックスから技術移転を受けて国内生産することになっており、年間2億5000万回分以上の生産能力を構築するとしています。

アストラゼネカは、日本向けのワクチンの多くを国内で製造する方針。ワクチン原液をJCRファーマが製造し、国内での製剤化や流通は、第一三共第一三共バイオテック、MeijiSeikaファルマ、KMバイオロジクスが担います。第一三共とKMバイオロジクスは、アストラゼネカから提供された原液を使って国内での製剤化を始めています。

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出典:AnswersNews
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